はじめて訪れる人形店では、煌びやかに飾られたお雛様に圧倒され、全てが素敵に見えるはずです。結局、何を決め手にすればよいのか悩んでしまうものです。
わぁ~♪
屏風が華やかで素敵ね!
お着物も、豪華!!
みんなステキだけど…。
選び方のポイントは?
値段の違いは、なに?
簡単なポイントご紹介いたしますね!
どうか、ステキなおひな様に巡り合えますように…。
末永く楽しむためには…。
スペースの確保は大切です。
飾る場所はどこにするのか?
収納は大丈夫なのか?
まずは、そこから考えます。
どんなに立派なものを購入しても、管理ができなければとても残念なことになります。
昔は大家族の中で楽しめた行事も、最近では核家族化し無駄を省いた合理的な生活スタイルに変化しつつあります。
広いお部屋で収納にも時間にも余裕があるとすれば、大きな飾りをおすすめしますが…。
大きさとご予算の関係でお話すると、例えば20万円というご予算の中で、三段飾りにしようか親王様だけの平飾りにしようかと迷われた場合、当然ながら親王様だけのお飾りのほうがグレードの高いお人形が選べます。
つまり、お人形のグレードで選ぶか、全体的な華やかさで選ぶかは、生活スタイルや住居環境により一考する必要があります。
ところがコンパクトといえども、お飾りしたら小さすぎたと後悔するお客様もおりますので、現在狭い住居環境であっても将来的には戸建てなどをとお考えであれば、あまりにも極小なタイプはおすすめしません。
だいたいのサイズを決めたら、後述するような感じで決めていかれると良いと思います。
たいていは全体的な雰囲気で選ばれる方も多いので、段階的な選び方というよりは選び方のポイントとしてご参考ください。
後悔のない雛人形飾りを選ぶ
限られた予算、何を「主」に選ぶか?
はじめて訪れる人形店では、煌びやかに飾られたお雛様に圧倒され、全てが素敵に見えるはずです。
「屏風が〇〇塗で、高級ですよ!」「お衣装の、刺繍が可愛いですよ!」「お道具が、豪華でしょ!」とか…。
もちろん、屏風もお道具も大切ですが、主役ではありません。
当然ながら、主役である「お雛様」を中心にお選びいただくことになります。
そんなこと当たり前と思われるかもしれませんが、屏風の柄やお道具などの華やかさに目を奪われ、意外に人形の造形(お顔・かたち)に注意を払わないお客様が多いものです。
もちろん、お好みでの満足感はとても大切ですので、選び方としては間違いではありません。
しかし、限られたご予算の中で選ぶとしたら、主役の人形よりも屏風などのほうがコスト比率が高い、つまり本質を見失った本末転倒な飾りになりかねないということです。
(※お好みでカスタマイズできる場合に限ります。)
ひな人形飾りのセットスタイル(三段・収納型など)については、以下をご参照ください。
他店と同じ屏風なのに、ここは値段高いの?
同一のセット販売は別として、一般的にはその店舗独自のセットを用意します。お道具などの備品の差も多少はありますが、主に「人形」の質の差が価格として反映されます。
飾り台や屏風は一見してわかりやすいので安易に比較しがちですが、その人形がどのような作品なのか、価格に見合うものなのかを見極めることが大切です。
特に、ネット販売では人形の細部の比較はできないので、より注意が必要です。
人形の鑑賞的価値を見極める!
職人の技量が反映される「お顔の表情」
美人で可愛くて…。それだけで、いいの?
たいていのお客様は、人形の正面顔だけを見て「かわいい~!」となりますが…。
斜め45度くらいから見て、いかがですか?
びっくりするほど、平たいお顔ではないですか?
丁寧にまつ毛や眉毛は描かれていますか?
瞳の焦点が合い、微かな笑みを感じますか?
口元は、どうですか?
歯や舌など細かい細工がされていたら、間違いなく立体表現がされたお顔ですが…。
日常生活の中では、様々な角度から観賞します。つまり、正面見だけが良ければ、というわけでもないはずです。
永く楽しむなら「味わい深さ」は不可欠!
お顔を表現するためには、何工程もの作業を経て、最後に彫刻刀で目・鼻・口の細工をし、毛描きとよばれる技法で立体的な表情を丁寧に描き上げていきます。ところが近年は、量産化とともにその工程が省略されているものが多くあります。
技量の高い職人のお顔は、正面顔だけではなく様々な角度により、とても豊かな表情を見せてくれます。このような表情作りは、人形選びでは衣装やお道具よりも大切なポイントになります。
お顔の素材に関しては、むかしは桐材の粉を固めた桐塑(とうそ)を使用していましたが、冷暖房が普及した現代では急激な温度変化によるヒビ割れが生じやすいため、石膏を使用しています。
伝統素材や技法の違いだけでお顔の良し悪しは一概に語れません。問題は仕上がりのお顔がご自分の感性に合うかどうかが決め手になると思います。
素敵な衣装でも、不安定なボディはアウト!
観賞するものだから、自然なバランスが大切
人形選びの中で、一番先に目がいくのが実際のところは「お顔」より「お衣装」からという方が多いかもしれません。
衣装の色や柄に関しては、日本古来の有職文様などは飽きにくいのでおすすめですが、お好みでお選びいただくのが良いと思います。
観賞するものですから、見極めなければならない一番のポイントは、姿勢が良く端正な形であるかどうかです。
正面から見て「正三角形」に近い安定した形、均整のとれたお顔とボディ、肩から腕へかけてのラインや背筋がまっすぐ伸びているものが自然です。
どんなに素敵な素材や柄の衣装でも、不安定な形は避けたいものです。
末永くお飾りするお雛様は、一見して豪華的な見栄えよりも、品格の良さが大切です。
「豪華」か「品格」重視のお飾りか?
お道具類は、大切な脇役です。
屏風の絵柄ひとつ、お花ひとつ、すべて熟練した職人がコツコツと造り上げたもので、お雛様をさらに美しく華やかにに見せてくれます。 同じ人形でもセットするお道具類により全く雰囲気が変わります。まずは、主役であるお雛様が引き立ちよくマッチするかどうかを見極めることが大切です。
全体を豪華に見せたいなら家具調の飾り台に絵柄入りの屏風ですが、人形本位の品格重視で飾られるのでしたら緋(赤)もうせんに金屏風というシンプルなスタイルもおすすめです。
当店では、お好みやご予算に応じて、オリジナルセットもご用意できます。生活スタイルに合わせてお選びください。
人形を熟知した「専門店」がおススメ!
品揃え・品質・提案力・アフターサービスが違う
しつこい勧誘や大幅な値引きにはご注意下さい。当店は、社団法人・日本人形協会より優良店として認定されており、豊富な品揃えと適正な価格、確かな品質と万全のアフターサービスを保証しています。
また、節句人形アドバイザーが所属し後悔のない雛人形選びをお手伝いさせていただきます。
それでも後悔と感じたときは…。
感性の問題、正解はありません。
以上が、なるだけ後悔しない選び方ではないかと思うのですが、正解はありません。感性の問題なので、全体的な雰囲気で選ばれる方もとても多いはずです。
毎年喜んで飾れるサイズ感と、ご両親様の感性に合ったもの、それは大切なことだと思います。
なぜかと言うと、たいていはご両親様(特にお母さま)の感性に、お嬢さまも似てくる気がするので、将来きっと喜ぶのではないかと、そう思うのです。
そして、たくさんの雛人形から、どんな思いでその人形をお迎えしたのかなども、お話しできるといいですね。きっと、人形への愛着心が増すこと、そしてなによりもご両親様の深い愛情に感謝することと思います。
それでも、後悔と感じたときは…。
そのおひな様に、ご縁があったのだと申し上げたいです。
ぜひ、愛でていただきたいと思います。
どのおひな様も、職人さんが丹精込めて作り上げたものです。どうぞ、末永く大切にお飾りいただきたいと思います。