端午の節句・五月飾りの歴史
お節句の起源は古く奈良時代の災厄を祓う行事からです。男の子の立身出世や無病息災の行事として確立したのは江戸時代中ごろのことです。
武家社会を中心に広がりを見せた文化は、民間にも及び武士の気風をまねた作り物の兜や、立身出世を願う鯉のぼりを大空に揚げ祝う、華やかな男の子の行事となりました。
その後、幕府や新政府での質素倹約の方策により、華美は一時的に衰えますがやがて復活します。
昭和~平成時代にかけ全盛を迎えた、豪華な三段飾りや着用できる大きな鎧、そして屋根よりも高い鯉のぼりも、 住宅事情とともにコンパクト化し姿を変え続けています。
生活スタイルや好みで考える
そうした時代を経て変化している五月飾りですが、現在の人気のスタイルとはどのようなものなのか、簡単に列挙いたします。
- 鎧(よろい)平飾り
- 兜(かぶと)平飾り
- 着用兜飾り (収納型)
- 兜飾り (収納型)
- 兜 or 鎧飾り (ケース入り)
- 大将飾り (木目込み人形)
- 鯉のぼり or のぼり旗 (外飾り)
以上、7種類の飾り方があります。
その中で、さらに渋めの戦国武将か華やかな平安鎌倉期の甲冑がいいのかなど、お好みで決めいただくことになります。
その選び方については、一部重複しますがこちらのページをご参考ください。
次に、それぞれの飾り方の特徴を簡単にまとめましたので、 お好みや生活スタイルをふまえご参考にしていただければ幸いです。
「五月飾り」セットの特徴
「鎧」平飾りセット
全身を守ることから、一番正式なスタイル
伝統的で格調高いお飾りです。お子様とじっくりお飾りを楽しめるという醍醐味もあり、お節句本来の意味合いに一番ふさわしいタイプです。
豪華で見栄えがするので、大きいと敬遠される方も多いようですが、組み立て式なので収納時は兜セットと同じくらいになる、コンパクトサイズも増えてまいりました。
サイズにより、床に直置きで飾れるものとテーブルなどを必要とするセットがあります。
間口65~105cm・価格は6~7万円より。
「兜」平飾りセット
頭(トップ)に立つ!大成成就を願う
シンプルでありながら、格調のあるお飾りです。
コンパクト重視の収納箱タイプよりも空間バランスが良く、品質にこだわった兜も多いため品の良いお飾りとして末永く楽しめます。
サイズにもよりますが、お飾りはテーブルやボードが必要です。
間口50~70cm・価格は5万円前後より。
「着用兜」収納型飾り
飾って豪華!着用して勇姿もみれる!!
幼少時の想い出作りに最適です。飾り台兼用の収納箱ですので利便性が良く、サイズ的にもテーブルなどを必要とせず直に床の上にお飾りできます。
尚、着用できるのは5歳前後くらいまでが目安となります。
間口55~65cm・価格は6~7万円より
「コンパクト兜」収納型飾り
利便性とコンパクト重視タイプ
収納箱がそのまま飾り台になるため場所の設定がしやすく、飾り付けや保管が便利です。
サイズ的に、お飾りするためのテーブルやボードは必要です。
間口35~60cm・価格は5万円より。
「ケース入り兜」飾り
お節句をお手軽に楽しみたい方
ケースはガラスとアクリル素材があり、ホコリが気になる方へおすすめです。兜や鎧が接着固定されているため、お飾りする手間も省け、手軽にお節句が楽しめます。
大きめのサイズは破損に備え、収納する場所、飾る場所は一考する必要があります。
価格は2.8万円より。
「木目込み・大将飾り」
鎧や兜よりも愛着心が持てやすい
鎧・兜などの甲冑を好まない方、特に女性に多い傾向があります。
木目込みという技法で作られた可愛らしい人形タイプはいかがですか?
石川潤平工房の「おぼこ大将」は、 全体的に丸みをおびたふくよかなフォルムで円満な幸福を願う心とお子様の純真無垢な姿をイメージして造形されております。
クオリティが高く優しい趣のある作風ですので、鎧や兜飾りよりも「愛着心」が持ちやすく末永く楽しむことができます。
外飾り「鯉のぼり」「幟旗」
お子さまが喜びます!
日々の揚げ降ろしなど多少の手間はありますが、小さなお子様には、鎧や兜飾りよりもわかりやすいアイテムとして、とても喜ばれます。
そして、さわやかな薫風にのって悠々と泳ぐ鯉のぼりは、周りで眺めている人たちの気持ちもなごませてくれるものです。
まとめ
可愛いお子さまのために、どんなお飾りを選ぼうかと思うとワクワクしますね。
いまは、住宅事情も変わりコンパクトサイズが主流になりつつあります。まずは、どこに飾るのか、収納はどうするのかから悩まれるようです。そして、5年、10年先の生活スタイルやお子さまの感性の変化などもイメージされるとよいかもしれませんね。
重複する部分もあるのですが、こちらもご参考になれば幸いです。