お子さまがはじめて迎えるお正月を初正月といい、女の子には「羽子板」を男の子には「破魔弓」を飾りお祝いする習慣が古くからあります。
このような風習は、お子さまを授かってはじめて知る事も多いはずです。
子どもの生存率が低かった時代のことで、現代では当てはまらないことも多いのですが、我が子を想う親心は時を経ても変わりません。
では、どのように伝えられてきたのでしょうか。
美しい日本の伝統文化を次世代のお子様たちにもつないでいただけますよう、少しでもお役に立てましたら幸いです。
なぜ「羽子板」や「破魔弓」を飾るの?
ともに古来からの行事であった正月の年占いや厄落としがその始まりです。その時期は十二支による暦の上で、いわゆる「鬼門(よくない結果が起こりやすい時)」にあたります。
つまり羽子板や破魔弓には、その時期を生命力の弱い赤ちゃんが無事に通過できるようにという願いがこめられているのです。
羽子板は、なぜ女の子のお守りなの?
室町時代が起源の「災厄を跳ね(羽根)除ける」とされる縁起飾りです。その頃は、疫病蔓延の元凶は蚊であるとされ、それを撃退するトンボに羽子板の羽根を似せて作ることで、無病息災を願いました。
そして、時代の流れとともに、羽子板はおまじない的要素に遊びの要素と、さらには美しい装飾までも施され、初正月を迎える女の子への大切な贈り物となりました。
ちなみに、羽根の黒くて堅い玉は「むくろじ」という大木の種です。この「むくろじ」は、漢字で「無患子」と書きます。「子が患わない」という意味があります。
お好みは?作風の違う羽子板
伝統的な古典美人タイプ
現代風に仕上げられた羽子板が主流の中、伝統技法を忠実に守る古典的な作品です。
全体のボリュームを抑えながらも、題材の人物が生き生きと躍動する様を表現しています。表情づくりも、美人画風を取り入れた純日本的な仕上がりで、その絶妙なまでの目元や口元の丁寧な描きには定評があります。
残念ながら後継者が少なくなりましたが、羽子板の末に広がる形状の中に全身の動きを構図として表現した作品は、特に希少です。
スッキリとした品の良い作品ですので、お嬢様が成人されても末永くお飾りできる逸品としておすすめです。
(画像は、むさしや豊山作「藤娘・全身丸立ち」)
優美で可愛らしいタイプ
立体的な造形がとても豪華です。素材は伝統的な「しぼり」技法や金襴地や友禅地に金彩や刺繍を施したものなどがあります。
色目は、優しいピンク系からちょっと大人っぽいものまでとバラエティに富んでいます。女の子らしいとても華やかさのあるお飾りです。
破魔弓は、なぜ男の子のお守りなの?
弓で射る的のことを昔はハマと言っていました。そのハマに破魔の字を当てたことが、この飾りの由来です。
また、平安時代頃より宮中では、男の子が産まれると弓の弦を強くはじき、その音で魔を追い払うとされる「鳴弦」という儀式が執り行われました。
似たようなものに初詣の際に神社から授かる破魔矢、新築の上棟式の際に鬼門の方角に向けて棟の上に立てる破魔矢があります。
破魔弓飾りのバリエーション
当店おすすめが、こちらの2点!
一、特別感のある「極上天覧破魔弓」
昭和8年の上皇様ご誕生の際に、江戸破魔弓を復刻献上したことから「天覧」と名付け、形を変えずに受け継がれているものです。当時の工芸に粋を尽くした塗りものや金蒔絵を施した格調高い仕上げで、矢の容器であるウツボを中央に、両側に弓を配し、弓袋を巻いた形を特徴としています。
非常に格調高く他に類を見ない特別感のある作品です。
二、本物志向の技「匠シリーズ」
五分の一、四分の一など実寸の弓を縮小することで弓本来が持つバランス美を表現しています。破魔弓飾りの意味合いのごとく、主役である弓と矢が美しく調和されており、余分なものが配されていないためスッキリとした品の良いお飾りです。
シンプルですので、和室、洋間ともにお飾りする場所を選びません。
特徴のある素材やデザインが豊富です。
立身出世の龍神柄や大成を願う竹素材などもあります。
弓と矢をメインにお飾りするもが一般的ですが、太刀や小槌などが付いたものや背景に龍や虎を描いた男の子らしいものもあります。
素材は、ヒノキや竹で作られたケースもあり色合いもサイズも豊富に取り揃えております。
さいごに
以上が、正月飾りの簡単な風習の説明と当店がおススメしたい商品のご案内でした。
おひな様や五月飾りよりも風習が薄い印象ですが、縁起飾りでお祝いをしながら新年をお迎えするのも気持ちの良いものです。
クリスマスもハロウィンもよいのですが、ぜひお子さまと一緒に日本の伝統文化も楽しんでいただけたらと思います。