はじめて訪れるお店では、煌びやかに飾られた五月飾りに圧倒され、全てが素敵に見えるはずです。
結局、何を決め手にすればよいのか悩んでしまうものです。
どんなことに気をつければよいのか、選び方のポイントなどをご紹介いたします。
うわぁ~♪
上杉謙信の鎧
渋くてカッコいい!!
私は、こっちの兜がいいわぁ~
コンパクトだし
なにより金メッキや色目が美しい!
いろいろなパターンがあるので、悩みますね。
ポイントは「毎年、喜んでお飾りできるか⁉」でしょうか。
デザインやサイズなど、生活スタイルに合わせお考え下さい。
末永く楽しむためには…。
スペースの確保は大切です。
飾る場所はどこにするのか?
収納は大丈夫なのか?
まずは、そこから考えます。
どんなに立派なものを購入しても、管理ができなければとても残念なことになります。
広いお部屋で収納にも時間にも余裕があるとすれば、大きな飾りをおすすめしますが…。
末永く楽しみたいとお考えであれば、コンパクトでも品のよい良質なものをおすすめします。
ところがコンパクトといえども、お飾りしたら小さすぎたと後悔するお客様もおりますので、現在狭い住居環境であっても将来的には戸建てなどをとお考えであれば、あまりにも極小なタイプはおすすめしません。
だいたいのサイズを決めたら、後述するような感じで決めていかれると良いと思います。
たいていは全体的な雰囲気で選ばれる方も多いので、段階的な選び方というよりは選び方のポイントとしてご参考ください。
「兜」と「鎧」飾りのサイズ感
鎧は一番正式なお飾りですが、サイズや手間を考えて最初から敬遠する方もいます。
一般的には、兜セットのほうがコンパクトなのですが、最近では鎧セットでも変わらないサイズが増えてまいりました。平置き飾りにした場合での、一例をご紹介します。
下の画像の鎧セット・兜セットは、同じサイズの飾り台と屏風を使用しています。飾る主体に合わせ「弓と太刀」の大きさは多少変えますが、鎧も兜も保管は飾り櫃(ヒツ)の中に収納するため、箱のサイズはほぼ同じです。
つまり、収納スペースもほとんど変わらず、飾るスペースについては全く同じというセットもあるということです。
あとは、飾る手間の多少とデザインの好みになると思います。
荘厳な重厚感をもとめるなら鎧飾りを、スッキリとした品の良さなら兜飾りがおススメです。
また、後述する時代背景による甲冑の色彩や造形でも、印象は変わると思います。
「華やか」「渋め」好みは?
「兜飾り」か「鎧飾り」かどちらかに決めたら、今度は甲冑のデザインを考えます。
甲冑のデザインには時代考証的に二つのタイプがあります。
平安鎌倉期の儀式用の鎧と戦国武将の胴丸・具足鎧では、「色合い」も「姿かたち」も「意味合い」も違います。
こればかりは、お好みですね。
次に、それらの甲冑の特徴をご紹介いたします。
「平安・鎌倉期の大鎧」
色彩や金物が美しく全体的に華やか
~「節句飾り」は鎧を奉納することに由来~
本来の節句飾りは、国宝・重要文化財で現存する主に神社に奉納された平安から鎌倉期の「大鎧」を参考に作製されてきました。
騎乗の上級武将が着用した鎧をモチーフに制作されたお飾りです。 精巧な純金鍍金の金具・細かい編み目や色彩にこだわった縅(おどし)糸は甲冑の歴史上最高峰の美しさといわれ、その成り立ちから格の最も高い正式な鎧とされました。
お子様のお祝いですから、戦いの道具を飾るというよりも、自己の命を守る神聖なものであり、かつ、神に祈りや感謝の意を込め捧げた崇拝すべきものを飾るとの考えからです。
節句飾りの由来にこだわる方には、根強い人気がございます。
お客様方の印象
「美しく鑑賞価値がある」からと、特に女性の方に人気です。男女差なく聞かれるのが「戦国武将には興味がない」ですが、最も多いのが「節句飾りの意味合いにふさわしい」からということです。
「戦国武将の胴丸・具足鎧」
シンプルで渋めな格好のよさがある
~「強く、たくましく」と願いを込め~
戦いでの身体防御として鎧・兜は身を守る大切な役目をもっていたため、今日では、その精神を大事にと制作されたお飾りです。
戦国期になると実用性を追求するため、壮麗なデザインは簡略化され華やかな色目は消えます。その一方で、鍬形などに個性的なデザインを施し、敵味方識別の必要性や戦場での自己顕示を目的としたものが増えていきました。
大切な「命」を守る防具として、また、新しい未来を築くために戦った名武将たちのように、強く、たくましくと願いを込めたお飾りです。天下を執った「徳川家康」や「伊達政宗」「上杉謙信」など、名武将の人物像にこだわりたい方におすすめです。
お客様方の印象
「なんとなく怖い…」という、女性の方は少なからずいます。男性は、特定の武将というよりは「渋くてかっこいい!」とデザイン性で選ばれる方が多い傾向にあります。その反面、男女共通で一番多いのが「上杉が好き!」「真田が大好き!」という、特定の戦国武将の人物像を好まれる方々です。
セット飾りの種類とスタイルは?
荘厳な鎧飾りがいいのか?
利便性のいい収納型がいいのか?
お子さまの勇姿が見たいから着用できる兜がいいのか?
生活スタイルにあうセット飾りとはどのようなものか、重複する部分もありますが、こちらも合わせてご参考ください。
甲冑を好まない方へ
可愛い「木目込み・大将飾り」
鎧・兜などの甲冑を好まない方、特に女性に多い傾向があります。
木目込みという技法で作られた可愛らしい人形タイプはいかがですか?
石川潤平工房の「おぼこ大将」です。 全体的に丸みをおびたふくよかなフォルムは、円満な幸福を願う心とお子様の純真無垢な姿をイメージして造形されております。
クオリティが高く優しい趣のある作風ですので、鎧や兜飾りよりも「愛着心」が持ちやすく末永く楽しむことができます。
外飾り「鯉のぼり・武者絵幟」
男の子のお節句飾りには、内飾り(兜や鎧飾り)と外飾り(鯉のぼりなど)があります。
外飾りは環境要因が大きく影響されるので、かなり限定されてしまうのですが、小さなお子様にはわかりやすいアイテムでとても喜ばれます。
最近では、ベランダや玄関ポーチでも楽しめるコンパクトサイズも人気です。
上手なお店選び
人形を熟知した「専門店」がおススメです。
しつこい勧誘や大幅な値引きにはご注意下さい。当店は、社団法人・日本人形協会より優良店として認定されており、豊富な品揃えと適正な価格、確かな品質と万全のアフターサービスを保証しています。
また、節句人形アドバイザーが所属し後悔のない雛人形選びをお手伝いさせていただくために作品や人形選びのポイントなどを説明させていただいております。
さいごに
節句飾りは、親子の絆を育むもの
まずは、毎年喜んで飾っていただけるサイズ感は大切だと思います。
そして、そのお飾りを選んだ時の“思い入れ”、その感情は、毎年飾るたびに思い出します。
たくさんのお飾りから、どんな思いでその飾りをお迎えしたのかなども、将来お子さまにお話しできるといいですね。
語らいが少なくなり一緒に飾ることがなくなる思春期の頃であっても、わが子の無事を願いながら黙々と飾る親の姿には、言葉では伝えられないメッセージが込められているはずですから…。
どうぞ末永くお楽しみくださいませ。